木炭紙に鉛筆
前後左右に傾斜させない画面の設定。水平・垂直の辺に囲まれた枠。その中に納まる石膏像の要所を直線で結ぶ。基準は水平と垂直の直交する二辺。引かれた斜めの直線は直交する二辺と共に直角三角形を導く。そうすることで要所を結ぶ直線の角度が正確さを増す。
板材で等高線図に基づく像を試作
木炭紙に木炭
石膏像のボリュームが空間を占める割合を、この画のように想像することで実感が沸く。あるいは、見えない背中側のラインを想像するにも役立つかもしれない。デッサンは、見えていることを描くとしても、見えないところを把握することによってカタチの検討ができる。
背景や部分を平面図形として拾う
木炭紙に鉛筆・コンテ
向かって右側の眼は、なんとなくムササビが空を跳ぶ姿に似ている。鼻の下の陰と影を合わせた形は泳ぐエイの姿に見える。左右の背景も縦横の直線と自由曲線に囲まれてできた図形として見る。拾った図形たちを用紙上に上手く配置(眼を開けて行う福笑い?)すれば、似る。
面取り多面体像に造り変える
木炭紙に木炭
教材としての面取り石膏像がある。それに習って実物を多面体として想像することで、それぞれの面の方向が見定めやすくなる。さらに、光源から降り注ぐ光に対して、各面の明度差が読み取りやすくなる。何処で曲げるかは、面数を少なくして特徴を捉える姿勢が大切。
稜線を探して見つけて描き出す
木炭紙に鉛筆
緩やかに変化する面にも目を凝らせば、ある地点で変化が急になっていることに気づく。面と面が交わる所を「稜」と言い、意識しなくても歴然と見える稜もあれば(初心者はそれを手掛かりに輪郭だけで描く)、像に近づいて触って見てやっとわかる稜もある。
形を単純化して調子の推移を想う
木炭紙に木炭
実物は前出のような多面体状ではなく、緩急併せ持つ曲面で成立している。細部を想像で除外すると、緩やかに推移する調子の変化が捉えやすい。稜に囲まれた面の中は、絶えず大きな調子の推移をもとに見ることで、部分的に見てしまう習性から脱却できる。
光を浴びた明るい面を起こす
木炭紙に鉛筆
少し気味悪い絵ではあるが、意図的に明るい面に強いタッチを載せ、陰部分にはぼんやりとした調子を充てている。石膏像は白色なので、明部は白っぽい方が理に適っているのだが、デッサンとして立体的に表す際は、光を受けた明部の方を描き起こすのがコツと言える。
石膏像内部宇宙を自由に想像する
木炭紙に木炭・鉛筆・CG画像処理
写実的に描写するにしても、眼に見える内容の他に、作者が対象物から何を想像しようとも自由である。それが例え空想的であっても、その方が対象物に深くかかわれるなら決して無駄とは言えず、むしろ、そのイメージから実物を逆照射し対象の検討が可能となる。
形の抑揚や流れからリズムを追う
木炭紙に鉛筆・木炭
有機的な形態には連続した起伏の道筋が随所に見て取れる。その流れを追ってつかむことで、動きの硬さを取り払うことができる。強く、濃く押しつけられた地点から、緩やかに流れてたどり着く次の地点へと、素材(木炭・鉛筆)の痕跡にもリズム感を与えながら‥‥‥